新エンブレムについて(2025年11月3日 クラブからの説明)
2025年11月3日のファン感謝祭前に行われた、クラブの新エンブレムについての説明を文字起こしいたしました。
※本文では口語表現を適宜要約し、一部省略等しております。
※またスタジアムについての説明は趣旨と異なるため割愛しております。
話者: 鈴木勇人 代表取締役社長
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エンブレムについてお話をさせていただきます。
(スクリーンにエンブレム画像が投影される)
こちらが先日発表させていただいたエンブレムです。
エンブレムのコンセプトとしましては、もともとあったエンブレムのモチーフであります不死鳥・フェニックスを踏襲しまして、よりシンボリックにするというのがまず1つ、そしてかつシンプルに表現するというところを、大前提にデザインを進めてまいりました。
不死鳥のごとく未来を不屈の精神で、我々は乗り越えるというところを、震災以降をやってきたクラブですので、そこを象徴しながら、福島を今度、“Jリーグの福島”ではなくて“世界に向けて発信をするため”というふうにデザインを進めてまいりました。
このエンブレムの変更について、ではなぜこういう形になったのかというところを少しお話をしたいと思います。
まず我々は2024年4月に株主総会におきまして、株主の移動、大きな筆頭株主が変わるというところと、新役員体制になりました。そこでクラブの存続が決定しました。
極端に言いますと、その前の年(2023年)の秋に、福島ユナイテッドFCは運営できないという形になりました。残念ながら、前の株主の方が上場を目指すというところでそういう結果になったんですが、我々は次のシーズンももう予算を決めて動き始まったというところです。しかしながら、そういう形になりまして、もう次の年の開幕が決まっています。そこに向けて準備をしなきゃならないというときに、相当苦労しました。
あるいは、三企業ぐらいですね、金融とか、あるいはコンサルだったり、いろんなところが手を挙げていただいたり、そこに決まりかけたりしたこともありました。しかしながらそうなった場合には、すべてのスタッフ・監督・選手含めて全交代、というぐらいの条件でした。
それをやはり福島のために積み上げてきたこの想いを、皆さんの想いを踏襲するには、なんとかせねばならないというところで我々独自の動き方をしまして、やっていただけるオーナーを見つける形に調整をいたしました。
しかしながら、福島を本当に支えていただいた株主の皆様、あるいは金融機関すべてにお声掛けしましても、残念ながら誰も現れることはありませんでした。
なんとかこのクラブを潰しちゃいけないというところの中で、当時招聘した辻上副社長にお願いしてお互い必死になってやろうという中で、今現在、スポーツX社が参画に入り、かつCEOである小山の交友のもとにオーナー・寺部という会長、そしてもうひと方、いま筆頭株主が2人います。その方々のご尽力のもとにクラブが成り立つという形になったわけです。
2024年4月の株主総会で新体制になりまして、クラブをこれからどうしていくかということを本気で議論し始まります。しかしながら、これまでの運営方針では将来に向けた展望は厳しいという結果でありました。
現在、株主総会そして取締役会では、将来的なクラブの発展のために、まずこれまで築いたクラブの歴史、そして変遷を尊重しながら、将来を見据えて、とにかくクラブの価値を上げようと、これまで築いてきたクラブの歴史変遷も含めながら価値を上げていこうという取り組みになります。
サポーターをはじめ、本当に皆様にお世話になって今、クラブがありますので、きちっと敬意を払いながら、新たなクラブづくりの必要性、そしてクラブの価値向上に向けて議論を今でも重ねております。
先にわたる運営方針についての検討、そして決断を行っているというのがまず大前提です。その上で、クラブの理念でもあります、未来永劫クラブを発展させる、成長するためには、やはり財務基盤の大幅なこれまでにない向上が必要だというところと、新しいクラブの価値を構築をするというところが重要だと、その中でも2つの大きな課題がありまして、環境整備について2つ、とにかく早急に整えようという形になりました。
まず1つ目は、超育成型のクラブにするということです。今まで少し強くなると、少し活躍すると、すぐ上のカテゴリーから選手を抜かれてしまう。であれば、福島で小さい頃から育って、うちの選手であって、そこからトップチームに上がって活躍していただくような環境が必要だろうと。十六沼(練習場)も、実はアカデミーはまだ抽選で練習をさせていただいている状況です。
トップチームはなんとか天然芝になりましたけれども、そういうところが脱却が必要だということで、まずアカデミーのトレーニング施設、我々、スマートスポーツパーク「SSP」と呼んでいます。この施設を早急に作ろうということで、スタジアムと一緒に候補地を選定中です。
もう1つ、クラブの特徴となる場所が欲しい。これはスタジアムです。クラブの想い、そして皆さんの想いを体現できる場所・スタジアムです。今、あづまの「とうほう・みんなのスタジアム」を使わせていただいていますが、いつも我々の取締役の話になるんですけれども、雨の中必死に、寒い中応援いただいている姿(を見て)、なんとか1日でも早く屋根付きのスタジアムを作りたい。そんな想いで我々はおりました。
そういう意味では、この2つの環境育成型のトレーニング施設とスタジアム、これを早期実現のために動きましょうと。そのためには、新たな大口の資金調達が必要です。そのためには国内外の投資家に話を通じています。スポンサーの獲得が不可決です。しかしながら福島もなかなか経済事情が厳しいものがありますので、本当に、国内外、中東・中国・ヨーロッパ、すべての方に話をさせていただいています。
まずは慎重かつスピーディーに、数十億円単位のデリケートな交渉を今、進めているところです。そんな中、勝敗ですとかあるいは地域の動きですとか、そういうところで、サポーターの想いですとか、様々な要因がこの調達には影響していきます。
最近では、近くでは(モンテディオ)山形が大変なことになっています。スタジアムをやろうと着工しました。しかしながらメインのスポンサーが降りるという形で、非常に厳しい状況、本当にデリケートになります。
そういうところも含めて、辻上副社長には、奥様(澤穂希さん)にも協力をよくいただきながら。そういう想いがある中で、2026年にクラブの運営会社としては創立15周年を迎えるというところと合わせまして、それと同時にJリーグのシーズン移行があるというところ、そして日本サッカーが変わると、変わるのであれば中途半端なところじゃなくて、やはり区切りのときに大きな変革をもたらすことがいいんじゃないかという話になりました。
ここまで実現性がなかったスタジアムの整備についても、クラブのオーナーをはじめとする株主の皆様や、新しく取締役になっていただいた方々もいます。そういう方のおかげで実現性が高くなり、スタジアムの発表まで至っているというところがあります。
8月30日、新スタジアムのコンセプトの発表という大きな転機を迎えるにあたりまして、これまでのクラブと歴史、そして想い、スピリットですね。そういうところも継承しながら本当に新たにもう一度クラブをやり直すんだという気持ちで、この福島を世界に発信するために、新しい価値を生み出そうというところから、このクラブのプロパティの変更という形までなっていったのが、正直なところです。このシーズン移行に合わせて、エンブレムを変更しようというふうに決断をいたしました。
何もしなければ、たぶん停滞して終わるだろうと。この中で、いろんな想いがあると思います。僕もこの(現行の)エンブレムで、地域リーグからJFLに上がり、震災を乗り越えて、皆さんともやってきました。しかしながら前を向いて一歩踏み出さなければ、やはり生き残ることができないという想いで決断をした次第であります。
じゃあ、どういう決め方だったのかというところをご説明申し上げますと、2024年4月の株主総会にてお話しました。新体制の中で、これまでのプロパティすべてにおいて、実は(クラブの)名前・ネーミングの話まで出ました。そういうところも含めて慎重に議論してきました。エンブレムの変更はクラブにとって本当に重要な重要な事項です。ですので、2024年の秋口ぐらいからこの問題に取り組み始めました。
様々な案、今と同じようなエンブレムで少し変更、あるいは中間ぐらい、それか刷新的に変更するというところも含めまして、大体20案ぐらいだったかなと思いますけれども、取締役会そして部長会でもお話を進めていたというところです。
この経緯についてもう少し詳しくお話をしますと、あらかじめ僕ら執行会というのを行っています。これは、会長・CEO・社長・副社長と条件役員ですね。そこにおいてさまざなデザイン案を作成をして、数々の案を練ってまいりました。慎重に修正もしました。ここはこういう企業と似てるなとか、少し政治団体に近いなとか、いろんな議論がありました。その中でいろいろ協議していたというところがまず1つです。
最終的には、今の要素も少し入れながら、かつシンボリックにシンプルに、アパレルで使うこともできるように、皆さんが福島への想いはあるけれども、それは揺るぎないものなので、きちっと心に留めながら新しく使うようなものを確定として、取締役会に働く手順としました。
取締役会としましては、会長ほか条件役員、そして社外取締役がありますけれども、そのほか会計監査ですとか、監査役で構成されています。
特に地元企業を代表する方々が社外取締役で3名、私も地元ですので私も含めて4名おります。地元取締役員の意見も、ひとりひとり確認をしながら、これを変えたほうがいい、あるいはここまで変えるというところも議論してきました。意見としましては、これまで作っていただいた皆様からは様々なお話が出るだろうと。
しかしながら、前を向いて新たなチャレンジとして変更するというのは必要だろうという結論のもとに、全会一致で今回の案が確定されまして、取締役会の承認を得て、そして部長会で様々な手続きや期間や申請の諸問題も解決しながら現在に至り、最終的には2026年シーズン、8月開幕になりますけれども、そこに間に合うようにJリーグに申請をし、商標登録というのを取らなきゃないという形になります。
今年の5〜6月で取締役で最終決定をして、部長会で最終案を含めて諮りまして、6月24日にプロパティの変更をJリーグに申請をいたしました。その上で、実行委員会等を含めまして、7月3日にJリーグ実行委員会で可決をし、7月末に登録商法の申請という形になりました。
登録商標を出して、というところを考えておりまして、その間に準備をするというところでしたが、申請を出すとすべて(商標が)公開になってしまうという状況になります。クラブが発表する前に公開になるので、(新エンブレムに変更となることが)分かってしまう。これはサポーターを裏切ることになりますから、あってはならないというところの中で、やはり一部の方じゃなくて多くの方がいる場で発表すべきだというところで、8月30日の発表になったという形になります。
まずは様々なクラブの継続の話があり、そして前を向いてこれから整備をしなきゃならない、最大のトレーニング施設のとスタジアムの整備のために、クラブ全体が今までのものを継承しながら変わっていく。そして新しいクラブとなって、未来永劫、百年先もこのクラブが残っていくような一歩を生み出しました。
様々な決め方があると思います。皆様に聞いて、じっくりやる(方法もあったが)、僕らは時間がない。一日も早くこの問題を解決しなきゃならないし、整備をすることを決めて、一般的には会社であればコーポレートアイデンティティといいまして、クラブのロゴマークや形を作るときに、できるだけ外には漏らさずきちっと作り上げて発表するという取り組みをしていますので、(その方法を)今回は取らせていただいたという話でございます。
ただ発表の仕方としては、あの短い場面でかつ皆さんがスタジアムで楽しみにしていたところで発表ということになったそういう経緯、その手順については、我々も反省しなければならないというところは十二分に思っておりますので、ご理解をいただきたいというふうに思っております。
まずは具体的にどういう形で決まったのか、というご質問がありましたので、今回のこの形で説明をさせていただきました。
[質疑応答]
Q.(新エンブレムの使用について)いつから変わりますか?
今の予定では、百年構造リーグが半年あります。それが終わりまして、本当の26年の新シーズンからという形で考えています。それまで予行期間になりますけれども、クラブはまず発表して、時間を取りながらという形になっていきます。
これからフラッグとか、もろもろをどういうふうに入ってくるのかとか、具体的にJリーグでまだ手続きが残っているので、それが確定次第皆様にお出しをしますので、もうしばらくお待ちいただければと思います。
ただ、始めるのは(来年の)8月からなんですけれども、実際のアカデミーの新シーズンが4月からなので、非常にこれが微妙で、皆さんと少し対話しながらその辺については確定することと、あわせて特許庁の申請がいつ下りるのかというのは、非常に微妙なタイミングなので、それがもう少し見え始まったら、皆様にお話をしたいなと思っています。
Q.クラブカラーは今まで赤と黒だったはずですが、(新エンブレムに)黒のイメージがなくて、クラブカラーの変更とかっていうのはあるんですか。
今、エンブレムの変更はしてますけれども、我々としてはやっぱり“赤と黒の勇者”と皆さんが歌っているというの非常に重要だと思っていますので、今現在、クラブカラーまで変更する予定まではないです。
Q.エンブレムの王冠はどういったことを意味しているんでしょうか?
我々としてはこの不死鳥というのは非常に大きなものだと思っています。今のエンブレムも不死鳥の上に王冠が載っています。王冠はやはりタイトルを取りたい、そういう想いがあって、百年続けるクラブとして、今はまだまだ力足りないけれども必ずそのトップを目指していくんだという表れを表現しています。
Q.文脈からだとクラブの存続が危ぶまれていた中での決断ということなんですが、極端に言うと、エンブレムを変えなければ生き残れなかったという認識でいいんでしょうか?
これについては、いろんな考え方があると思うんですけれども、実際変えなければいけなかったかどうかというのは、その次になってみないとわからない状況ですが、我々としては、この新しくするというのが最善の今後につながる道だということで、決断をしました。というところが今現在言えるところだと思います。
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以上
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